こんにちは
かめとんぼです。
今回は、固くて回らない・外れないネジを外す方法5選と、固く締まらないための対策について解説します!
ネジのよくあるトラブル 1.外れない & 2.潰れる
今回は、ネジのトラブル対処シリーズその➀です。
DIYでネジ関係のトラブルで多いものと言えば
1. ネジが固くて外せない ←今回紹介
2. ネジの頭がなめて(潰れて)外せない
この2つでしょう。
特によくあるのが
1.固くて外せない → 外そうとしているうちに 2.頭がなめてしまう
と言うように1. 2. が連続して起きてしまうことですね・
もしこうなってしまうと絶望的で、より大掛かりな修理道具が必要になってしまったり、場合によっては素人のDIYでは修理できなくなってしまうことも。
そこで今回は、
1. ネジが固くて外せない 時の5つの対処法を紹介します。
また最後には固く締まってしまうメカニズムと、固く締まらないための締め付け時の対策について解説します。
それでは見ていきましょう。
固く締まったネジを外す方法 5選
固く締まったネジを緩める方法は、次の5つがあります。
サイズの合った道具(ドライバー)を正しく使う
潤滑剤を使う
叩いて緩める
ナット側を回す
バーナーで熱をかける
順に見ていきます。
サイズの合った道具(ドライバー)を正しく使う
まず一つ目に大切なことは、サイズの合った道具(ドライバー)を 正しく使うことです。
正しいドライバーのサイズ
例えばプラスドライバーの場合、プラスの形の大きさには#1、#2といった規格があります。
おおよそ、 M3(直径が3mm)以上のねじは#2 それより小さいねじは#1 です。
ドライバーの柄の部分に、「#1」「#2」といった表記があるはずなので、外したいねじに合わせた正しいドライバーを使いましょう。
サイズの合っていないドライバーでは上手く力が伝わらず頭を潰してしまうこともあるので、しっかりと確認しておきたいです。
M6(直径が6mm)以上のねじでは#3が多いですが、DIYでM6より太いねじを使うことはあまりないですね。
ドライバーの正しい使い方
ドライバーを正しく使うために大切なことは、次の3つです。
外すときは反時計回り
ドライバーをネジに押し付ける
ドライバーをまっすぐに当てる
外すときは反時計回り
まずは回す向きに注意します。
今回は外すので、反時計回りです。
ドライバーをネジに押し付ける
これが一番大切です。
ドライバーを押し付ける力:9割 回す力:1割 くらいの配分で力を入れます。
「外すのに押し付けるの??」と言う人もいるかと思いますが、押し付けるで合っています。
押し付ける力が弱いとドライバーが滑って頭を潰してしまう可能性があるので、しっかり押し付けながら回します。
ドライバーをまっすぐに当てる
忘れてはいけないのは、ドライバーをまっすぐにネジに押し付けることです。
斜めになってしまうと回す力が伝わりきらないので、横から見たりしてまっすぐ押し当てられているかを確認しましょう。
潤滑剤を使う
固く締まったネジを緩める方法の二つ目は、潤滑剤を使う方法です。
ねじを緩めるための潤滑剤は、代表的なものとしてはCRE 556があります。
潤滑剤は、高い浸透力と緩めるための潤滑力を持ったスプレーです。
固く締まったねじなどに吹きかけると、ねじの隙間に浸透していきます。
そして浸透した液が潤滑液となり、固く締まったねじでも緩めることができます。
潤滑剤を使うときのポイントは、
浸透力が強いものを選ぶこと
吹きかけたらしっかりと時間を置くこと
この2つに注意しましょう。
浸透力は、ねじの緩めやすさに直に効いてきます。
高い浸透力でおすすめできるのは、ワコーズのラスペネです。
ワコーズは車の部品の潤滑剤などを製造している日本のメーカーで、ねじの固着の中でも温度、湿度、振動的に特に厳しい環境の自動車に使う潤滑剤ということで、高い浸透力を誇ります。
また、このラスペネは防錆性も持っており、吹きかけることで以降の錆を防ぐことができるため、錆びによる固着を防ぐことができます。
潤滑剤を吹きかけたら、しっかり時間を置くことも大切です。
固く締まってびくともしないねじには、潤滑剤を 吹いて→置いて を3回くらい繰り返した後、半日くらい置くことをおすすめします。
吹きかけた直後には動かないねじでも、時間を置くことで潤滑剤が徐々に浸透し、緩めることができます。
時間がない!という場合にも、少なくとも30分くらいは置いてから回してみましょう。
また、ねじが固着した原因が錆びなら、冷却潤滑剤というタイプの潤滑剤があります。
冷却潤滑剤は-40℃程の低温でねじを一気に冷やす潤滑剤で、冷やしたときのショックで錆びを割り、固く締まったねじを緩めます。
冷却潤滑剤も様々な種類がありますが、おすすめはこの「KURE 凍結浸透ルブ 1433」です。
5-56で有名な呉工業の冷却潤滑剤で、-33℃の低温でねじを冷やし、ショックで錆を割ります。
錆を割ると同時にねじとナットの隙間に潤滑剤成分が染み込み、ねじを緩めやすくします。
冷却潤滑剤は、錆を割るために低温に冷えている必要がありますが、逆に冷やしすぎると潤滑剤の粘度が増して隙間に染み込みにくくなるので、そのバランスが非常に大事です。
この凍結浸透ルブは絶妙な温度で冷却力と浸透力を両立しており、固く錆びついたねじでも緩めることができます。
叩いて緩める
緩めないネジに対して、叩いて衝撃を与えて緩めることも効果的です。
緩める際にはドライバーを使いますが、ドライバーの中には「おしり側を叩くと先端が回る」というものがあり、このタイプのドライバーを使うとより効率的に緩めることができます。
代表的なものはVESSELのこのドライバーです。
ホームセンターにもよく置かれており、自分も使っています。
このドライバーは、先端をネジに当て、おしり側をハンマーで叩くと先端が回る仕組みです。
柄の中にはカム回転機構が入っており、叩く力を回転力に変えています。
叩くことでネジ山をしっかりと捉えるので、頭を潰してしまうことも少なく、一本持っておくと非常に安心です。
インパクトドライバー
叩いて緩めるために、インパクトドライバーを使うという方法もあります。
インパクトドライバーは電動ドリルの一種で、回転力に加えて叩くという動作が加わります。
イメージとしては、ねじの頭をハンマーで叩きながら、電気を使ってモーターの力で緩めるイメージです。
通常は、回転+打撃で硬い木材などに長いビスを打ち込むために使いますが、打撃力が働くことで、ねじをより簡単に緩めることができます。
また、本体をしっかりとねじに押し付けて動かすことで、ネジ山を潰すことを防ぐこともできます。
ナット側を回す
固く締まったねじを緩める方法として、可能ならナット側(メス側)を回すこともトライしてみましょう。
ねじが固く締まる現象は、ねじ×ナットが固く締まっている場合と、ねじ×母材(ねじが締め付けてある部品)が固く締まっている場合の2つの場合があります。
この2つを区別するためにも、ナットに手が届く場合は外してみることが有効です。
もしナットが固く締まっている場合には、ナットに対して潤滑剤を使用したり、後述するようにバーナーで炙ってみましょう。
母材に固く締めついているときは、先にナットを外したあとに潤滑剤を吹くことで効果的に吹きかけることができます。
また、ナット側を回すことで、ねじ山が潰れることを防ぐことができます。
固く締まったねじを緩めるときに絶対やってはいけないことの1つに、ねじ山を潰してしまうことがあります。
ねじ山を潰してしまうと、それ以降ドライバーを使って緩めることもできず、取り外すのが非常に大変になってしまうからです。
ねじ山を潰してしまうことを防ぐためにも、ねじ側はドライバーをしっかりと押し付けて逆側のナット側を回すことで、ねじの頭を潰してしまう可能性が小さくなります。
バーナーで熱をかける
固く締まったねじを緩めるために、バーナーで熱をかけて緩めるのも効果的です。
炎が出るので行う場所を選びますが、うまく使いこなせば固く締まったねじを緩めることができます。
固く締まったねじの、可能ならナット側(メス側)に熱をかけることができると効果的です。
バーナーの炎を5秒くらい当て、1分程おいて冷ましたあとに緩めてみます。
緩みそうになければ、何度か温めて→冷ましてを繰り返し、冷めた後に回します。
くれぐれも注意したいのは、直接触るのはしっかりと冷ましたあとにしましょう。
思ったように冷めない場合もあるので、十分に注意をして下さい。
熱することで緩む原理としては、金属が熱で線膨張をし、ナット側が少し広がることで緩めることができます。
よく言われることとして、ねじとナットや、ねじとメス側が同じ材質だと同じだけ膨張するので緩みにくいと言われますが、それでも効果はあると思っています。
両方が膨張、また冷えたときに収縮をしますが、その過程で張り付いた固着が剥がれ、緩められることもあるからです。
そのため炎を当てても大丈夫な環境であれば、一度温めてみることも効果的です。
固く締まってしまうメカニズム
ここまで、ねじが固く締まってしまった場合の対処法を見てきましたが、できたら上に挙げたような作業は避けたいところです。
そこでここからは少し視点を変えて、「どうしてねじが固く締まってしまうのか」というメカニズムと、それらを防ぐための対処法について見ていきます。
ねじが固く締まってしまう原因は、よくあるのはこの2つです。
錆びる
焼き付き
簡単に説明します。
錆びる
最も多い原因は、ねじが錆びて取れなくなってしまうことです。
錆の原因は、ねじとナット(メス側)の間に水分が溜まってしまうことです。
ねじとナット(メス側)は溝が食いついて締まっており、その隙間に水分が入るとなかなか抜けずに溜まります。
その状態で時間がたつとねじとナットの間に錆びができ、ねじとナットが固着して取れなくなってしまいます。
そのため、屋外などの日常的に水がかかる場所はもちろん、たまにでも水分がかかるところでは、錆びに注意する必要があります。
錆びを防ぐための方法としては、ねじを錆びにくい材質に変更することが有効です。
最も多く使われる材質の「鉄+ユニクロめっき」は錆びやすいですが、「ステンレス」に変えることで錆びる可能性を圧倒的に減らすことができます。
そのため、屋外や水がかかるなどに錆が心配な場所にはステンレスのねじを使い、錆びの心配を減らしましょう。
↓ビス(木ねじ)の材質の選び方記事より
焼き付き
特にステンレスのねじを使った場合に、「焼き付き」という現象が発生してねじが固く締まってしまう場合があります。
焼き付きとは、ねじとナット(メス側)の間で強い摩擦力が生じ、摩擦熱で部分的に素材が溶けることで、固く締まってしまう現象です。
特に、ねじに重いものを掛けながら締め付ける時や、少し下穴がずれている状態で締め付ける時に発生します。
すこし硬いかなという感覚から追加で少し回すと、急に焼きついて固く締まってしまいます。
この焼き付きを防ぐための方法としては、まず1つ目はなるべく力のかからない状態でねじを締めることです。
重い物を掛けながら締める時はねじに力がかからないようにしっかりと支えて、下穴がずれている時は無理せずに下穴を開けなおしてから作業を行います。
また、焼き付き防止の潤滑剤を使うことも効果的です。
小分けの小さなチューブで売られているものもあるので、特に屋外でステンレスを使う場合には塗っておくと安心です。
まとめ
今回は、固く締まったねじを緩める方法と、固く締まらないための対策について解説しました。
締まって緩まないねじを見つけると少し焦ってしまいますが、落ち着いてここに挙げた項目を試してみることで、簡単に緩められるかもしれません。
このブログでは、他にもDIYについての知識やポイント、知って得する情報などについて紹介していきます。
一緒に学んで、楽しいDIYにしましょう。
かめとんぼ
参考記事
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