こんにちは
かめとんぼです。
今回は、部屋の壁にフックやカーテン、家具などを固定する方法について紹介します。
はじめに
部屋の壁にフックやカーテン、ちょっとした棚を取り付けたり、転倒防止のための家具を固定するなど、DIYでは「部屋の壁に物を取り付ける」というテクニックは欠かせません。
これらのパーツを使ってうまく部屋の壁を使いこなせば、よりスタイリッシュで理想的な部屋づくりができますが、実は部屋の壁に物を取り付けるには少しコツがあります。
なぜなら、一般的な壁材の9割は「石膏ボード」という板が使われており、この板は画鋲や釘が簡単に抜けやすく、上手に固定しないと物を取り付けることが出来ないからです。
上手く固定が出来ていないと、画鋲や釘が抜けてしまい、掛けている物が落ちてしまうだけでは無く、取り付けていた壁に大きな穴が開いてしまう心配があります。
そのため、壁にフックなどを取り付ける場合には、次の3つの方法を使い分けることが大切です。
軽い物を取り付ける時 → 石膏ボード用フック
中くらいの重さの物を取り付ける時 → 石膏ボードアンカー
重い物を取り付ける時 → 下地の木材にビス止め
このサイトでは、これらの3つの方法について個別の記事で詳しく解説してきました。
今回は、これらの3つの方法のまとめとして、物を掛けたいときにどの方法を選べばいいのか、3つの方法の選び方や、特徴、難易度の比較をしていきます。
この記事を読めば、自分が取り付けたい物に合った方法がきっと見つかると思います。
それでは見ていきましょう。
家の壁の構造&材質
まずは実際に3つの取り付け方法の比較を見る前に、前知識として部屋の壁の材質、構造について見ていきましょう。
一般の家の約9割の壁材には、「石膏ボード」と言う材質の板が使われています。
石膏ボードは、チョークなどとして使われる石膏を厚い紙でサンドイッチした板です。
また、下の絵にあるように石膏ボード自体は内側の家の骨組みにビスで留められており、表面には装飾のための壁紙が貼られています。
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一般的な部屋の壁の9割がこの石膏ボードが使われていますが、まれにその他の材質が使われる事もあります。
簡単な見分け方は、壁に画鋲を挿してみることで見分けることができます。
画鋲を挿して抜いてみて、先端にチョークの粉のような白い粉がついていたらその壁は石膏ボードです。
まれにあるその他の材質の壁の種類や、より詳しい見分け方についてはこの記事で詳しく解説しています。
この石膏ボードは、家の壁の材質としては断熱性、耐火性などのメリットがあり広く使われていますが、物を取り付けるという観点から見るとあまり向いていません。
釘やピン、ビスを打ってもすぐにぽろぽろと崩れてしまい、重いものを取り付けることができないからです。
そこでこの石膏ボードにも物を取り付けるための方法として、上に挙げたような石膏ボードアンカーや、石膏ボード用フックといった石膏ボード用の取り付け道具が使われています。
壁に物を固定する3つの方法の選び方
ここまで、石膏ボードを使った壁の構造について見てきました。
先に述べたようにこの石膏ボードは柔らかく、ビス、釘で物を取り付けることができないため、物を取り付けたい場合には次の3つの方法を使い分けることが大切です。
軽い物を取り付ける時 → 石膏ボード用フック
中くらいの重さの物を取り付ける時 → 石膏ボードアンカー
重い物を取り付ける時 → 下地の木材にビス止め
ここからは、これらの3つの方法の選び方として、それぞれの特徴、メリット・デメリットなど7つの項目を比較しながら、自分に合った方法の選び方を紹介します。
具体的な方法が決まったら、下のそれぞれ方法の記事から注意点や詳しいやり方を確認してみて下さい。
これらの3つの方法を比較するのに先立って、比較する7つの項目について表にまとめました。
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ここからはこの表の内容をベースに、耐荷重、固定できる物の例や、取り付ける作業の難易度について比較していきます。
耐荷重
まずは取り付けられるものの重さ、つまり耐荷重から見ていきます。
石膏ボード用フック : 10kg
石膏ボードアンカー(軽い物用) : 10kg
石膏ボードアンカー(重い物用) : 40kg
間柱にビスを打ち込む : 50kg
(値はあくまでも代表的な数字・目安です)
壁に物を取り付ける3つの方法を選ぶときは、この耐荷重を確認することは欠かせません。
多くの場合は、この耐荷重で自分のとるべき方法が決まります。
下にいくに従って(表では右にいくに従って)耐荷重は大きくなり、間柱にビスを打ち込む方法では約50kgの物を取り付けることが可能です。
時計、小物棚などの10kgに満たない物を取り付けたいときは上2つの方法、10kg以上の物を取り付けたいときは下2つの方法というように、10kgを目安に自分が取り付けたい物の重さに合わせて使い方を選ぶことがポイントです。
注意点としては、石膏ボード用フックや石膏ボードアンカーはそれぞれの種類(商品)によって耐荷重が異なるので、購入する前には必ずチェックすることが大切です。
固定できる物の例
続いて、固定できる物の例を見ていきます。
石膏ボード用フック : (フック)
石膏ボードアンカー(軽い物用) :棚・リモコン・ハンガー掛け など
石膏ボードアンカー(重い物用) :スピーカー・テレビ・手すり など
間柱にビスを打ち込む : スピーカー・テレビ・手すり など
固定できる物は、上の耐荷重と同じように下に行くに従って重くなっていきます。
取り付ける物の形は、一番上の石膏ボード用フックでは形がフックに掛けられるものに限定されます。
例としては、コルクボードや時計といった、紐がついていたりフックを掛ける用の溝があるようなものです。
それに対して他の方法はビスを打って物を固定するので、取り付けるものの形が限定されず、棚やテレビなどを固定することができます。
下穴
続いては、取り付け時に下穴がいるかという観点で比べてみます。
石膏ボード用フック : 不要
石膏ボードアンカー(軽い物用) :不要
石膏ボードアンカー(重い物用) :要
間柱にビスを打ち込む : 要
上2つの方法は不要、下2つの方法は必要となっています。
大まかな傾向としては、重いものを取り付けようとすると下穴が必要になるという傾向です。
賃貸などの壁に大きな穴を空けられない住宅では、下穴が不要な方法で取り付ける必要があります。
一番上の石膏ボード用フックは、下穴が不要、取り外した後の穴もほとんど見えないため、賃貸住宅でも使用することができます。
難易度
続いて、作業をするときの難易度を見ていきます。
石膏ボード用フック : ◎
石膏ボードアンカー(打ち込みタイプ) : ◎
石膏ボードアンカー(ねじ込みタイプ) :〇
石膏ボードアンカー(アンカータイプ) :△
石膏ボードアンカー(トグラ―タイプ) :△
間柱にビスを打ち込む : 〇
この中で最も簡単なのは、石膏ボード用フックです。
壁に3本の釘を打ち付けるだけで取り付けが完了するので、初心者でも簡単に取り付けることができます。
重いものを掛けるための、アンカータイプやトグラータイプの石膏ボードアンカーでは、 下穴→差し込み→ねじ込み と工程が多くなっており、フックに比べて難易度の高い作業になっています。
価格
続いては、価格面を比較していきます。
石膏ボード用フック :☆☆
石膏ボードアンカー(打ち込みタイプ) : ☆☆+ビス(別売り)
石膏ボードアンカー(ねじ込みタイプ) :☆+ビス(別売り)
石膏ボードアンカー(アンカータイプ) :☆☆☆
石膏ボードアンカー(トグラ―タイプ) :☆☆+ビス(別売り)
間柱にビスを打ち込む :☆(ビス代)
最も安く仕上げられるのは、一番下の間柱にビスを打ち込む方法です。
ビスを打ち込むだけなので、フックやアンカーといった特別な部品が必要なく、ビス代だけで安価に固定することができます。
また、石膏ボードアンカータイプでは、別売りのビスを使うことが多いです。
そのため、予算を考える時はビスについても考えておくことと、また実際に購入する時にはビスを忘れないようにしましょう。
必要な工具
続いては、作業するときに必要な工具について見ていきます。
石膏ボード用フック : (かなづち)
石膏ボードアンカー(打ち込みタイプ) :ドライバー + かなづち
石膏ボードアンカー(ねじ込みタイプ) :ドライバー + 電動ドリル
石膏ボードアンカー(アンカータイプ) :ドライバー + 電動ドリル
石膏ボードアンカー(トグラ―タイプ) :ドライバー + 電動ドリル
間柱にビスを打ち込む : ドライバー + 電動ドライバー
一番上の石膏ボード用フックは、釘を押さえる時にかなづちがあると簡単に打ち込めますが、ない場合にも硬貨などの固いものを当てて押し込むことで代用が可能です。
石膏ボード用フック以外の方法は、ビスを使って固定するためドライバーが必要です。
ドライバーは、電動ではなく手動のタイプがオススメです。
電動ドライバーを使うと、万が一スイッチを押し込み過ぎて高速、高トルクでビスを回してしまった時に、ビスやアンカーが石膏ボードの壁にめり込んで大きな穴を開けてしまう心配があります。
そのような失敗を避けるためにも、手動のドライバーを使ってビスを回しましょう。
石膏ボードは柔らかいため、電動のドライバーを使わずに手動のドライバーを使っても十分ねじ込むことはできます。
表の真ん中の石膏ボードアンカーを使う場合は、下穴を空けるために電動ドリルが必要になる場合があります。
石膏ボードは柔らかいため、ドライバーの先端などを壁に押し付けることで下穴を空けれないこともありませんが、しっかりと壁紙にも穴を空けて取り付けるためには、電動ドリルがあったほうが安心できます。
表の一番下の間柱にビスを打ち込む場合は、電動ドライバーの一種であるインパクトドライバーがあると心強いです。
間柱は硬い木材が使われていることも多く、手動のドライバーを使ってビスを回していくのはかなり大変な作業になります。
そのため、あらかじめインパクトドライバーを用意しておくことで、楽に、確実にビスを取り付けることができます。
また、これらの3つの方法に共通する必要な道具として、「下地センサー」という道具があります。
下地センサーは、壁の石膏ボードの裏にある、間柱・胴縁の位置を、石膏ボードに穴を空けることなく検知するための道具です。
3つのどの方法をとるにしても非常に大切な役割をするので、壁に物を取り付ける時には一台あると安心です。
この下地センサーの使い道、必要な理由や、下地センサーの種類の選び方はこの記事を参考にしてください。
特徴
最後に、それぞれの方法の特徴について見ていきます。
石膏ボード用フック : 外した穴が目立たない
石膏ボードアンカー(打ち込みタイプ) : 取り付けが簡単
石膏ボードアンカー(ねじ込みタイプ) :ねじ込むのが難しい
石膏ボードアンカー(アンカータイプ) :高い耐荷重
石膏ボードアンカー(トグラ―タイプ) :中で広がったかどうかが見えない
間柱にビスを打ち込む : 間柱がある所のみで使える
上でも紹介したように、石膏ボード用フックの一番の強みは外した穴が目立たないことです。
直径1mm程度の穴が3つできるだけなので、遠目で見たらほとんど分かりません。
そのため、賃貸住宅ではこの方法を使って壁掛けDIYをしている人も多くいます。
石膏ボードアンカーは、それぞれのタイプによって特徴が様々です。
石膏ボードアンカーは、軽い物用と重い物用に大きく2つに分かれており、軽い物用では打ち込みタイプ、重い物用では金属アンカータイプがおすすめです。
間柱タイプは、耐荷重も高く簡単に行うことができますが、何と言っても間柱がある所にしか取り付けられない、場所に左右される取り付け方法です。
これらの方法の違い、特徴を元に、自分の取り付けたい物、スキルに合った取り付け方法を選んでみましょう。
ここまで、壁に物を取り付ける3つの方法の選び方・違いを見てきました。
自分が取り付けようと思っている物、場所に合ったやり方を決められた人も多くいると思います。
具体的な方法が決まったら、下のそれぞれ方法の記事から注意点や詳しいやり方を確認して、実際にDIYをしてみましょう!!
まとめ
今回は、部屋の壁にフックやカーテン、家具などを固定する方法について紹介しました。
自分の取り付けたいもの、場所に合った正しい方法を選んで、失敗しない壁掛けDIYを目指しましょう。
今回紹介した3つの方法、また下地センサーや石膏ボードの見分け方については、個別の記事で詳しく解説しているので、一度見てみて下さい。
このブログでは、これらを含めた部屋の壁に物を取り付ける方法について、一番わかりやすいサイトを目指して日々改良をしています。
その他にも、DIYについての知識やポイント、知って得する情報について紹介していきます。
一緒に学んで、楽しいDIYにしましょう。
かめとんぼ
参考記事
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