こんにちは!
かめとんぼです。
今回は、2枚の板を接合するための部品「ブラインドリベット」の基礎と、ブラインドリベットを打つための工具「ハンドリベッター」について解説します。
ブラインドリベットのしくみ
ブラインドリベットの特徴・メリット
ハンドリベッターを使った打ち方
ブラインドリベットの外し方

DIYについての知識やポイント、知って得する情報などを紹介します。
現在は賃貸マンションに住んでいて、9割以上の家具を自作しながら理想の部屋づくりを楽しんでいます。
本業は機械設計の仕事をしています。
リベット(ブラインドリベット)とは?

リベット(ブラインドリベット)とは、プラスチック板や金属板など、2つの板を接合するための部品です。
同じような使い方をする部品には、ボルト・ナットやねじがあります。
リベットは一般的にはあまり知名度はありませんが、接合部が非常に高い強度をもつことから、橋などの構造物や飛行機などでも使用される大変重要な部品です。
他にもDIYでよく用いる「物を接合する方法」としては、接着剤やはんだ付け、グルーガンなどがあり、また専門的な技術がいる方法としては 溶接 などがあります。
それぞれの接合方法には得意分野、苦手分野があり、このリベットにも後述する大の得意分野があります。
そこでこの記事では、リベットの接合の原理や、他の接合方法との違いを見ながら特徴を解説していきます。
なお、リベットもいくつかの種類がありますが、今回はその中で「ブラインドリベット」について解説をします。(ここからは省略して「リベット」と呼びます。)
また、リベットを付けて接合することを、「リベットを打つ」と言い、その時に使う道具は「リベッター」と言います。
このリベッターにもいくつか種類がありますが、今回は一番手軽に使うことができる手動式の「ハンドリベッター」について解説をします。(こちらも省略して「リベッター」と呼びます。)
リベットの外観
まずはリベットについてのイメージをつけるために、外観から見ていきましょう。

部位ごとの名称は、先の細い部分を「シャフト」、右の少し太くなっている部分を「リベットボディー」、平たくて傘のようになっている部分を「フランジ」と言います。
この記事ではこれらの名称を使いますが、DIYをする上では別に覚えなくても構いません。
シャフト(黄色)と、リベットボディー&フランジ(オレンジ色)は別の素材でできていることが多いです。
鉄×アルミのような組み合わせです。
フランジとリベットボディーは、中心が空洞の円柱で、その空洞をシャフトが通っています。
シャフトは、一番右の球状の部分まで繋がっています。
リベットの接合のしくみ
続いて、リベットが接合できるしくみを解説します。
仕組みが分かることで、この先の特徴もより理解が深まると思います。
リベットで2つの材料を接合しているところを絵で見てみましょう。絵は断面図になっています。

まずは接合したい2枚の板(青・みどり)に下穴を開け、そこへリベットを上から差し込みます(①)。
そして、リベッターという道具で、「フランジを抑えながら(②の下の矢印)シャフトを引っ張り(②の上の矢印)」ます。
シャフトは引っ張られると、絵の下の先端に繋がっている球がリベットボディー(オレンジ)を下から潰します。
そして引っ張り力に耐えきれず、シャフトはちぎれます(③)。
こうして残ったリベットは、上面はフランジが、下面は球によって潰されたリベットボディーが抑えとなり(絵の赤丸)、両面から押さえつけることができます(④)。
これがリベットが接合できる仕組みです。
このしくみを元に、他の接着方法と比較したリベットの特徴を解説します。
リベットの特徴
ここからは、リベットの特徴を紹介します。
紹介にあたって、リベットと同じように2つのものを接合するために使うネジや、同じく接合に使う接着剤との違いも交えて紹介します。
リベットの特徴は、次の5点です。
片側から接着できる
強度が強い
すぐに接着できる
初心者でもできる
接合できる材料の種類が多い
順に見ていきましょう。
片側から接着できる
リベットの最大のメリットは、この片側から接合できる点です。
先に説明した通り、リベットを片側から入れてリベッターで引っ張ることで接着ができます。
よく比較されるネジやボルトでは、必ず裏側からナットを当てないといけません。
リベットは片側からのみで接着できるため、裏側に手を入れにくい構造や、そもそも裏側に手を入れられない部品でも接合が可能です。
強度が高い
これもリベットの大きな魅力です。
リベット、ボルト・ナット、接着剤について、それぞれを緩ませる(引き剥がす)力を考えながら、強度について見ていきましょう。
リベットは、先に紹介したように金属のリベットボディーが変形することで接合します。
つまり、このリベットを取るためには、物理的に金属のリベットボディーをさらに変形させないと取ることができません。
一方、ボルト・ナットは、ボルトとナットの摩擦の力で接合されています。
また、接着剤では化学的な力で接着しています。
この3つをまとめると、外すために必要な力は
リベット :金属を変形させる力
ボルト・ナット:摩擦の力
接着剤 :化学的な力
となります。
この中では、金属を変形させるリベットが一番力が必要になりそうとイメージできると思います。
つまり、リベットが最も強度が高いということです。
すぐに接着できる
リベットと接着剤を比較すると、リベットの接合にかかる時間は大変短いです。
あとから説明するように、リベットは、リベッターに差し込んで取っ手を握ると接合することができます。
接着剤のように長時間放置する必要が無いのもメリットの一つです。
初心者でもできる
リベットは、初心者でも簡単に接合ができます。
特に、リベット選びの時に選ぶ項目が少ないことが特徴です。
リベットは下穴のサイズを決めれば使う部品が決まります。
一方ネジではネジの頭の種類や長さ、ナットの種類やワッシャーの種類などを決める必要があります。
また接着剤では、下地の処理や接着剤選びの必要があります。
このように、最初のステップである部品選びで選ぶ項目が少ないため、初心者でも簡単に使うことができます。
また、リベッターの使い方も、一度使ってみたら理解できる比較的簡単な構造のため、接合の難易度も高くありません。
接合できる材料の種類が多い
リベットが接合できる材料の種類が多いことは、接着剤と比べた時の大きなメリットです。
接着剤では、木材やプラスチック、金属などの材料に合わせて種類を選ぶ必要があり、また一般的な接着剤では接着ができない材料も多くあります。
その点、リベットでは下穴が開けられればおおよその材料は接合ができるため接合できる材料が多くなります。
リベットが向かないところ
このように優れた特徴が多くあるリベットですが、向かない所があるのも事実です。
ここでは、リベットが向かない所3点を紹介します。
木材などの柔らかい材料
何度も付け外しする所
厚い材料
順に見ていきましょう。
木材などの柔らかい所
リベットはシャフトを引っ張って接合をするので、フランジやリベットボディーが食い込んでしまうような柔らかい材料には向いていません。
イメージとしては、リベットなどの金属を押し付けて、凹んでしまうような柔らかい材料には使うのを控えたほうがいいでしょう。
そのような材料の締め付けには、締め付け力が調整できるビスやボルト・ナット、接着剤が有効です。
何度も付け外しする所
リベットは、一度接合したら外さないのが基本です。
そのため、何度も付けたり外したりする場所には向いていません。
後述するようにリベットは外せないこともありませんが、手間が多く、また材料を傷つけてしまうこともあります。
そのため、何度も付け外しする場所には、ボルト・ナットやネジをつかうことをおすすめします。
厚い材料
リベットで接合できる厚さは、リベットボディーの長さが限界です。
そのため、
となることが必要です。
これが、逆に材料の厚さの方が厚い場合は、接合ができないということになります。
リベットボディーの長さが長めの物もありますが、おおよそ厚さ10mmくらいまでが目安です。
リベッターを使ったリベットの打ち方
それでは実際に、リベットの打ち方を見ていきましょう。
リベットを打つ場合には、これまでに何度か出てきている「リベッター」という工具を用います。
リベットは、このような手順で打ちます
リベッターを準備する
下穴を空ける
下穴にリベットを挿す
リベットを打つ
シャフトを捨てる
それでは順に見ていきましょう。
リベッターを準備する
まずは、リベッターを準備します。
リベッターの準備でやることは1つ、リベッターの先端の金具を、リベットのシャフトの径に合ったものに合わせます。
多くのリベッターは先端の金具がシャフトの径に合わせて変えられるように、取り外しができるようになっています。
別の径の先端金具は、リベッター本体についていることが多いです。
多くの場合、先端金具はネジのようにクルクルと回すと取れるので、使いたいリベットのシャフトに合ったサイズの先端金具を付けましょう。
下穴を開ける
リベッターが準備できたら、次はリベットを差すための下穴を開けます。
下穴は、リベットボディーが入るサイズにします。
スカスカの下穴だと打ったあとにぐらついたり緩んだりするので、できるだけリベットボディーにぴったりの下穴を開けましょう。
下穴にリベットを挿す
続いて、下穴にリベットを挿します。
リベットボディーの側を差してくださいね。
フランジがちょうど材料に当たる所まで入れましょう。
リベットを打つ
次は、実際にリベットを打ちます。
リベッターの先端の金具にシャフトを差し、持ち手を引くことでリベットを打ちます。
リベッターの種類によっては、一度に力を入れて打つものと、何度か力を入れて打つもの(ラチェット式)があります。
ラチェット式の方が弱い力で打つことができ、圧倒的に楽です。
シャフトを捨てる
リベッターの持ち手を引き、シャフトがちぎれたら完了です。
材料にはリベットボディーだけが残り、接合が出来ているはずです。
打ち終わったら、リベッターの中にちぎれたシャフトが残っているはずなので、取り出して捨てましょう。
自然に出てくる場合がほとんどですが、もしも出てこなかったらリベッターの持ち手を、握るのと逆方向に広げてみましょう。
そうすることで自然とシャフトが出てきます。
おすすめリベッター
リベッターを使ったリベットの打ち方を紹介しましたが、ここでは実際にかめとんぼも使ったことがあるおすすめのリベッターを紹介します。
ベッセル(VESSEL)社製の、「ラチェットリベットガン RG-95」です。
このリベッターの特徴は、ラチェット式のリベッターであることです。
ラチェット式は、力を何度かかけてリベットを打つタイプです。
一方で他のタイプ(名前を何というか分かりません..汗)は、グリップを握って一発で打つタイプで、一発でシャフトをちぎる(下の③)ための握力が必要です。

恐らく、女性や力の弱い男性ですとなかなか難しいかと思います。
一方このラチェット式は、力を何度かかけて(貯めて)打つタイプです。
ハンドルを握ると「カチカチカチカチ」と中の部品が回りながら力が溜まっていき、最後にシャフトの強度以上に力が溜まるとシャフトがちぎれてリベットが打てます(④の状態)。
なので、ラチェット式の方が必要な力が格段に小さく済みます。
一発で打つタイプも、このラチェット式も両方使ったことがありますが、圧倒的にこのラチェット式が楽です。
リベットの外し方
リベットの打ち方を紹介しましたが、万が一の場合に備えて、リベットを外したいときのやり方を解説しておきます。

リベットを取るときは、電動ドリルを使用します。
ドリルの刃はフランジの径と同じくらいのものを使用します。
ドリルをフランジに当てて回し、フランジを削り取っていきます。
この時、勢いよく削って接合したい材料を削らないように注意しましょう。
フランジが削れてはずれたら、残ったリベットボディーを先の細いもので叩きます。
こうすることで、リベットを外すことができます。
まとめ
リベットとリベッターについて、接合の仕組みや特徴からリベットの打ち方まで一気に解説しました。
あまり有名ではないリベットですが、メリットや簡単さを理解してもらえたら幸いです。
一緒に学んで、たのしいDIYにしましょう。
かめとんぼ











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