こんにちは!
かめとんぼです。
今回は、木材をビス(木ねじ)で固定するための”下穴開け”について、最適な下穴サイズと失敗しにくい開け方を解説します!!
“下穴開け”とは??
DIYで一番使われる材料と言えば、2×4材やパイン材などの木材ですね。
木材は、 カット・接合・塗装 といった作業が初心者でも簡単に行える作業性の良さから、DIYでよく使われています。
今回はその中で、木材同士をビス(木ねじ)を使って接合するための下準備である「下穴開け」に注目していきます。
この下穴開けをマスターすれば、
といったように、ワンランク上のDIYをすることができます。
といっても、下穴開けについて解説している記事・本は少なく、
などは、それぞれの経験によるところが大きいです。
そこで今回は、今まででかめとんぼが培った経験をベースに、下穴開けについて徹底的に解説します。
具体的には、下穴とは? 下穴って必要? というキホンから、最適な下穴サイズの目安 や 下穴開けに必要な道具 、また具体的な 下穴の開け方 について見ていきます。
それでは見ていきましょう。
下穴とは??
まずは、下穴とは?というキホンのところから見ていきましょう。
下穴は、木材同士にビス(木ねじ)を打って接合するときに、「あらかじめ木材に開けておく穴」のことを指します。
使いたいビスより一回り小さい穴をあらかじめ木材に開けておくことで、ビスを打つときに木材が割れなくなるなどのメリットがあります。
そのため、DIYでビスを打つときは、
ビスを打ちたいところに下穴を開ける → ビスを打つ
という流れで作業をします。
下穴を開けたほうがいい理由
ビスを打つときに下穴を開けたほうがいい理由はいくつかありますが、ここでは代表的な4つを紹介します。
木材が割れない
ビスのねじ山が潰れない
ビスをまっすぐ打てる
ビスを打ちたいところに打てる
順に見ていきます。
木材が割れない
下穴を開けておく一番のメリットは、ビスを打った時に木材が割れないことです。
特にビスを木材の端に近い所に打つと割れやすく、割れてしまうとその周辺はビスが二度と打てなくなってしまう事が多いです。
木材が割れてしまう一番の理由は、無理にビスを打つことでビスの体積分の木材行き場がなくなり、割れてしまうことです。
そのため、下穴を開けてビスの体積分の木材をあらかじめ取り除くことで、ビスを打っても割れにくくなります。
ビスのねじ頭がなめない(潰れない)
下穴を開けることで、ビスの頭がなめにくいというメリットもあります。
下穴を開けずにビスを打つときには、強いトルク(=パワー)が必要になります。
トルクは簡単に言うと回す力で、強いトルクをかける時に心配しなけばいけないのは、ビスの頭がなめて(潰れて)しまうことです。
そこで下穴をあらかじめ開けておけば、強いトルクが不要となり、結果としてねじ頭を潰してしまうリスクが非常に小さくなります。
ビスをまっすぐに打てる
下穴をあらかじめ開けておくことで、ビスをまっすぐに打てるというメリットもあります。
もし下穴を開けずにビスを打った場合、ビスが節などの硬い所に達すると、硬い所を避けるように斜めに打ち込まれます。
これは、ねじ締めのためのドライバービットとビスは、頭をはめるだけでしっかりと固定はされていないため、ビスが曲がっても向きを調整することができないからです。
一方、下穴を開けるのにはドリルビットを使いますが、ドリルビットと工具はしっかり固定がされているため、硬い節があっても自分の開けたいように下穴を開けることができます。
そのため、木材に対してまっすぐ下穴を開けて、その穴にビスを打てば、ビスをまっすぐ打ち込むことが可能です。
ビスを打ちたいところに打てる
これも上の”まっすぐ打てる”と同様、下穴を開けるとビスを正確に打ちたいとことに打つことができます。
上で解説したように、ドライバービットとビスは完全に固定されていないため、打ち込むときにビスが木材の上を滑ってしまっても、それを直して矯正しながらビスを打つことはできません。
一方、ドリルの刃は工具にしっかりと固定されているため、自分が刃を当てたところに穴を開けるのは簡単です。
そのため、ドリルの刃で下穴を開けてからビスを打ち込むことで、ビスを自分が打ち込みたいところに正確に打つことができます。
下穴を開けるのに必要な道具
ここからはより具体的に、下穴を開けるために 必要な道具 や 最適な下穴サイズ、そして実際に下穴を開ける方法について見ていきます。
まずは、下穴を開けるために 必要な道具 について見ていきます。
木材に下穴を開けるためには、大きく次の3つの方法があります。
木工ドリルビット + 電動ドリルドライバー ←推奨!
下穴錐ビット + 電動ドリルドライバー
キリ
ここでは、これらの方法の違い、特徴について順に見ていきます。
木工ドリルビット + 電動ドリルドライバー
1つ目の方法は、木工ドリルビット + 電動ドリルドライバーを使う方法です。
ドリルビットは電動ドリルドライバーなどの先に付ける先端工具で、木材に穴を開けるのに使います。
木工ドリルビットはその中でも木材に穴を開けるためのビットで、初心者でも簡単に力いらずで穴を開けることができます。
この、木工ドリルビット + 電動ドリルドライバーを使う開け方が一番オーソドックスなやり方で、かめとんぼもいつもこの方法を使って下穴を開けています。
木工ドリルビットは0.5mm間隔程度のセットで売られていることも多く、1セット持っておけばいろいろなビスの径に対応することが可能です。
下穴錐ビット + 電動ドリルドライバー
2つ目は、少しユニークな道具を紹介します。
この下穴錐(したあなすい)ビットはドリルビットの種類の1つで、下穴を開けることに特化したビットです。
先端に向かうに従って細くなる形状をしています。
そのため、開けた下穴は入口は太く、奥は細い円錐状の穴をしており、ねじを打っても木材が割れにくい下穴を開けることができます。
径は0.5mm刻みの2.0、2.5、3.0、3.5mmというような種類があり、自分が打ちたいねじより0.5mm~1mm細い下穴錐ビットを使って下穴を開けると、ぴったりの下穴を開けることができます。
注意点としては、先端がかなり細くなっているので、折れないように注意して使います。
特に穴あけ後に抜く時にまっすぐ抜いて、折らないように注意しましょう。
このビットのことを知ると、下穴用のビットとして上の木工用ビットを買うか、この下穴錐を買うか迷ってしまうこともあるかと思いますが、その場合はとりあえずは上の木工用ビットのセットを1つ買っておけば良いかなと感じています。
もちろんこの下穴錐もいい道具ですが、上の木工用ビットの方が少し幅広い用途で使うことができるので、まず初めは木工用ビットのセットを用意するのをおすすめします。
キリ
下穴を開ける1つ目の方法は、キリを使った方法です。
キリは、先端に針のような金属がついた工具で、木材に当てて両手の平でコマを回すようにして下穴を開けます。
キリには、大きくこの4つの特徴があります。
電力を使わない手工具のため簡単
穴の径を調節できない
深い穴は開けられない
硬い木材に穴を開けられない
このように、キリは簡単に下穴が開けられる反面、深い穴や、3mmを超えるようなビスの下穴開けには向きません。
キリはどちらかと言うと釘を打つときの下穴に使われる工具なので、ビスを打つ時の下穴を開けるには、上の木工ドリルビットや下穴錐ビットを使うことをおすすめします。
下穴のサイズの目安(径・深さ)
ここからは、下穴の径や深さのサイズの目安を見ていきます。
下穴のサイズの目安は、このように覚えておけば大丈夫です。
径:ビスの太さの7割
深さ:ビスの深さの7割
つまり、ビスの下穴は径、深さの7割程度の穴を開けられればOKです。
もちろんこれは目安なので、これより多少前後しても大丈夫です。
ただし注意しておきたいのは、あまり径が太すぎる下穴を開けるとビスがスカスカで効かなくなってしまうので径が大きすぎる方向には注意が必要です。
一方、深さは深くなりすぎても特に効きが弱くなるなどの心配点は少ないので、深さに慎重になりすぎる必要はありません。
上のポイントを元に、下穴の径の目安を分かりやすくするために換算表を作成しました。
一番左が代表的なビスの太さ、真ん中が左を0.7倍した最適な下穴径です。
もちろん、真ん中の列の最適下穴径の太さのビットを揃えて下穴を開けるのがベストですが、とは言っても実際にはDIYでは0.1mm刻みの径でビットを持っていることは少ないです。
特に、上で紹介したようなドリルビットのセットでは、ビットは0.1mm刻みではなく0.5mm刻みであることが多いです。
そんな場合には、一番右にある「これでいいよ下穴径」のビットを使いましょう。
この太さを使えば、最適下穴径よりは少し細い下穴径になりますが、これくらいの差で大きくビスの打ちにくさが問題になることはありません。
また、少し細めに開けることで、失敗して下穴がガバガバになってしまうことも防ぐことができます。
そのため、DIYでは「これでいいよ下穴径」のビットを使って、下穴開けをしてみましょう。
ここで見た代表的なビスの太さは、この記事を元にしています。
下穴を開ける方法
最後に、下穴を開ける方法を紹介します。
ここでは、上で紹介した道具の内、1つ目に紹介したの木工ドリルビット+電動ドリルドライバーを使った開け方を紹介します。
2枚とも下穴を開けるか・1枚のみに下穴を開けるか
下穴を開ける方法は大きく分けて、
1.仮組みをして、手前側・向こう側の両方に貫通するように下穴を開ける
2.仮組みをせず、板の状態で手前側の板のみに下穴を開ける
この2種類があります。かめとんぼがDIYをする時は、
・仮組みができる比較的小さなサイズ
・ネット等で買った広葉樹などの固めの木
→1.仮組みして、手前側・奥側の両方に貫通するように下穴を開ける
・パイン材、2×4材などの柔らかめの木
・棚などの大型家具
→2.板の状態で、手前側の板のみに下穴を開ける
といった具合に、使い分けています。2.は比較的簡単で、ビスを打つところに目印を打って、木工ドリルビット+電動ドリルドライバーで穴を開ければ下穴開けは完成です。
そのため、ここからは1.仮組みして下穴を開ける方法を紹介します。
仮組みをして下穴を開ける
例として、ここでは2枚の板をビスを使って固定する時を考えてみます。
まず初めのステップは仮組みです。
固定する2枚の板が完成形の形になるように、手で組んでみます。
この時、一時的には手で持っていてもいいですが、後の作業のことを考えるとクランプで固定をするといいでしょう。
クランプを使うことで、手を離すことができ楽に・確実に作業ができます。
大体の形が決まったら、下穴を開けたい場所、つまりビスを打ちたい場所を決めます。
この時、ビスの間隔は約15cmくらいの均等間隔で開けると、強度的に十分でかつ楽に穴を開けられます。
ビスを打ちたい場所を決めたら、次は実際に下穴を開けていきます。
この時に注意しなければいけないのは、重ねた2枚の板がずれてしまうことです。
ずれてしまうと、仮組みからずれた形に出来あがってしまい、最悪の場合は後の部品が組み付かないこともあります。
そのため、ずれることを防ぐためにクランプで木材同士をしっかりと固定しておくことで、確実に下穴開け・ビス打ちをすることができます。
下穴を開ける場所、つまりビスを打つ箇所が複数あるときは、一度に全部下穴を開けていきます。
こうすることでビットの交換をする手間が減らせて、楽に作業をすることができます。
下穴を全部開けられたら、ビットをドライバービットに交換してビスを打っていきます。
ドライバービットビットを使う時に注意したいのは、ビットをしっかりとねじに押さえつけることです。
こうすることで、ビットがねじから外れてねじ山を潰してしまうことを防ぐことができます。
参考 ビスの選び方はこちら
まとめ
今回は、木材にねじ締めするための下準備「下穴開け」について、最適な下穴サイズとやり方を紹介しました。
最後にもう一度、最適な下穴サイズの選び方と、「これでいいよ下穴径」を紹介します。
径:ビスの太さの7割
深さ:ビスの深さの7割
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その他にも、DIYについての知識やポイント、知って得する情報について紹介していきます。
一緒に学んで、楽しいDIYにしましょう。
かめとんぼ
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