こんにちは
かめとんぼです。
今回は、ネジ頭がなめた(潰れた)ときの外し方 8選と、ネジがなめない(潰れない)ために大切なこと3点を紹介します。
ネジのよくあるトラブル 1.外れない & 2.潰れる
今回は、ネジのトラブル対処シリーズその②です。
DIYでネジ関係のトラブルで多いものと言えば
1. ネジが固くて外せない
2. ネジの頭がなめて(潰れて)外せない ←今回紹介
この2つでしょう。
特によくあるのが
1.固くて外せない → 外そうとしているうちに 2.頭がなめてしまう
と言うように1. 2. が連続して起きてしまうことですね。
もしこうなってしまうと絶望的で、より大掛かりな修理道具が必要になってしまったり、場合によっては素人のDIYでは修理できなくなってしまうことも。
そこで今回は、
2. ネジの頭がなめて(潰れて)工具で回せない 時の対処法 8選を紹介します。
具体的には、
1.ネジ山がまだ残っている場合
2.ネジ山がもうほとんど残っていない場合
3.最後の手段 ネジを壊す
この3つの段階に分けて、それぞれに最適な方法を紹介していきます。
紹介する対処法を上から順にやっていけば良い方法が見つかるはずです。
それでは見ていきましょう。
1.ネジ山がまだ残っている場合
「少しなめてるけど、まだネジ山が残っている」 そんな時の対処法はこの3つです。
1-1.輪ゴムを挟んで回す
1-2.ネジすべり止め液を使う
1-3.叩いて回るドライバーを使う
順に見ていきます。
1-1.輪ゴムを挟んで回す
潰れかけているネジ山に幅広の輪ゴムを乗せて、その上からドライバーで回す方法です。
輪ゴムの幅は、ねじ山が見えないくらいの幅があれば大丈夫です。
自分も初めてこの方法をやってみた時はびっくりでしたが、軽く潰れただけのネジなら簡単に回ります。
友人の工具箱に輪ゴムが入っており、何に使うのか不思議に思って聞いてみたらこの使い方を教えてくれました。
輪ゴムを挟むことで、潰れかかっているねじ山とドライバーがしっかり食いつき回すことができます。
この方法で潰れている状況がひどくなることはないので、少し潰れかかってきたら気軽に一度試してみて下さい。
1-2.ネジすべり止め液を使う
輪ゴムを使ってダメだったら、次はすべり止め液を使ってみましょう。
代表的なものはアネックスの「ネジすべり止め液」です。
潰れかけているネジ山に少し垂らすことで、ネジとドライバーの摩擦を増やす効果があります。
原理は輪ゴムと一緒です。
ホームセンターの工具売り場によく置いてあるので、工具箱に1つ入れているという人も多くいますね。
1-3.叩いて回るドライバーを使う
上の二つは摩擦力を増やしてネジを回す方法でした。
これらの方法で回らなかったら、次は叩いて回るドライバーを使ってみましょう。
代表的なものはVESSELのこのドライバーです。
ホームセンターにもよく置かれており、自分も使っています。
このドライバーは、柄の中にカム回転機構が入っており、柄の後端をハンマーで叩くと先端が回る仕組みです。
ネジ山が潰れてしまう原因として、「ドライバーを押し付ける力が弱いこと」がありますが、このドライバーをハンマーで叩いて使えば、押し付ける力が弱くなることはありません。
後述する 2.ネジ山がもうほとんど残っていない場合 には使えませんが、2.の場合は準備が大変なものも多いので、その中間として出番は多いです。
2.ネジ山がもうほとんど残っていない場合
続いて、ネジ山がもうほとんど残っていない場合の対処法を見ていきます。
この場合の対処法は次の4つです。
2-1.ネジザウルスを使う
2-2.ネジバズーカを使う
2-3.ネジ外しビットを使う
2-4.金ノコでマイナス溝を作る(削る)
順に見ていきます。
2-1.ネジザウルスを使う
まず初めに候補に上がるのが、このネジザウルスです。
ネジザウルスは潰れたネジ・サビたネジを外すために開発された工具で、DIY好きな人や工具マニアの中では知らない人はいないほど有名で、爆発的にヒットした工具です。
見た目はペンチのような形をしており、ネジの頭を直接掴んで回します。
普通のペンチやラジオペンチでは先端まで溝が掘られていないため、ネジを掴むことができませんが、このネジザウルスはネジの頭を掴むために先端に特殊な溝が掘られており、ガッチリと掴むことができます。
実力も確かで、ネジ山が潰れてしまったネジでもしっかりと掴んで回すことができます。
2-2.ネジバズーカを使う
ネジザウルスでも回らなければ、続いてネジバズーカを使用してみましょう。
このネジバズーカは、上で紹介したネジザウルスよりさらに潰れたネジを外す事に特化した工具です。
先端のビットが交換でき、ネジの症状によって使い分けます。
より潰れたネジに使う2ndビットは、ネジ穴がほとんどない状態でも回すことができます。
使い方はビットをハンマーなどの工具でネジに打ち込み、しっかりと食い込ませます。
打ち込むことで、新しいネジ穴を作ってしまうイメージです。
そして取っ手を付けて回し、ネジを外します。
上のネジザウルスでは、掴むための頭が出ていない皿ねじでは使うことができませんでしたが、このネジバズーカでは皿ネジでも対応できます。
2-3.ネジ外しビットを使う
ネジザウルス、ネジバズーカを使用しても回らない場合、次はネジ外しビットを使います。
ネジ外しビットは、電動ドライバーなどに取り付けて使用します。
ビットの片側はネジ山に溝を掘るための形状をしており、電動ドライバーにはめてグリグリと溝を掘っていきます。
ある程度の深さ(5mmくらい)の溝ができたらビットの上下を逆に付け替えます。
逆側は先ほど掘った溝に食い込む形になっており、そちらをドライバーでグリグリ回すことでネジを取ります。
この方法のポイントは、先に溝を掘るときにビビらず深めに掘ることです。
そして外す側にビットを上下交換した後も、溝が浅いなと思ったらもう一度溝を掘ることが大切です。
この方法は完璧にネジ山を削り取って新しく溝を掘るので、後戻りはできません。
前に挙げたネジザウルスなどの方法を取った後に、取り掛かることをおすすめします。
2-4.マイナス溝を作る
ねじの種類が「なべねじ」や「トラスネジ」の場合、なめた頭に金ノコでマイナス溝を作るという手があります。
やり方は簡単で、ネジ頭に金ノコを当て、マイナス溝ができるように削ります。
勢いよく動かすと下にある材料まで削ってしまうので注意して下さい。
マイナス溝ができたたら、マイナスドライバーを使ってゆっくり外します。
皿ねじや低い頭ネジの場合は、下に残る材料を削ってしまうのであまりおすすめはできません。
3.最後の手段 ネジを壊す
ここまで紹介した6つのやり方・道具で外せないことはほとんどないですが、それでもまれにあります。
その場合、最後はネジを壊すしかありません。
ここまでの方法でネジの頭はかなり潰れているかと思いますが、そこをさらに電動ドリルで削っていきます。
どこまで削ればいいのかは、ネジを外す目的によって異なります。
「ネジの頭が取れればOK(接合している材料を外せればよい)」
のか、
「古いネジを外して、新しいネジを付けたい」
のかで難易度が変わってきますが、頭が取れればいい場合、とにかくドリルで削っていけばOKです。
しっかりとドリルがネジに当たるように、焦らず削っていけばいつかは頭が外せます。
新しいネジを付けたい場合は、ぐっと難易度があがります。
この場合、下の材料に残るネジの本体まで取らないといけないからです。
実際は非常に難しく、上手く行かない事も多いです。
上手くいかず本体の材料も削ってしまった場合には、一つ径の大きい穴を開けて、太いネジを使うか、少し横に新しいネジ穴を空けることも考えましょう。
次からはネジが潰れないようにしよう
ここまではネジが潰れた場合の対処法を紹介してきましたが、ここからは少し視点を変えて、次からネジ山を潰さないためにできることを紹介します。
もうネジ山を潰してしまった人も、まだ潰していない人も、この3つのことを意識していれば潰してしまう確率をグーンと下げることができます。
そもそも、ネジ山を潰してしまうのは、ドライバーの先端でグリっと空回りしてしまう事が原因です。
そのため、ネジ山を潰さないために大切なことは「ドライバーの空回りを防ぐ」この一点です。
具体的には、次の3つのポイントを意識することでドライバーの空回りを防ぐことができ、ネジ山を潰すことを減らすことができます。
1.サイズの合ったドライバーを使う
2.ドライバーを正しく使う
3.ネジは回さずにナットや材料側を回す
順に見ていきます。
1.サイズの合ったドライバーを使う
まず一つ目に大切なことは、ねじに合った正しい道具(ドライバー)を 正しく使うことです。
例えばプラスドライバーの場合、プラスの形の大きさには#1、#2といった規格があります。
おおよそ、 M3(直径が3mm)以上のねじは#2 それより小さいねじは#1 です。
ドライバーの柄の部分に、「#1」「#2」といった表記があるはずなので、外したいねじに合わせた正しいドライバーを使いましょう。
サイズの合っていないドライバーでは上手く力が伝わらず頭を潰してしまうこともあるので、しっかりと確認しておきたいです。
M6(直径が6mm)以上のねじでは#3が多いですが、DIYでM6より太いねじを使うことはあまりないですね。
2.ドライバーを正しく使う
ドライバーを正しく使うために大切なことは、次の3つです。
外すときは反時計回り
ドライバーをネジに押し付ける
ドライバーをまっすぐに当てる
外すときは反時計回り
まずは回す向きに注意します。
今回は外すので、反時計回りです。
ドライバーをネジに押し付ける
これが一番大切です。
ドライバーを押し付ける力:9割 回す力:1割 くらいの配分で力を入れます。
「外すのに押し付けるの??」と言う人もいるかと思いますが、押し付けるで合っています。
押し付ける力が弱いとドライバーが滑って頭を潰してしまう可能性があるので、しっかり押し付けながら回します。
ドライバーをまっすぐに当てる
忘れてはいけないのは、ドライバーをまっすぐにネジに押し付けることです。
斜めになってしまうと回す力が伝わりきらないので、横から見たりしてまっすぐ押し当てられているかを確認しましょう。
3.ネジは回さずにナットや材料側を回す
もし、ナットを使っている場合や、材料そのものが回る場合には、そちらを回すことも有効です。
ドライバー側は10割の力でネジに押し付け、ナットや材料側を回します。
ここに挙げた3つの事を意識すれば、ネジが潰れてしまうことはグッと減らせるはずです。
身近な道具のネジですが、回すときには少し注意して作業をすると、ネジ山を潰して無駄な作業をする必要が無くなります。
まとめ
今回は、ネジ頭がなめた(潰れた)ときの外し方 8選と、ネジがなめないために大切なこと3点を紹介します。
DIYをするうえでできれば避けたい作業ですが、正しいリカバリー方法を知っておくことで、不安なく作業に取り掛かれます。
一緒に学んで、楽しいDIYにしましょう。
かめとんぼ
参考記事
コメント