こんにちは
かめとんぼです。
今回は、電動ドリルで木材などに穴を開ける時に使う、「ドリルビット」の選び方について解説します。
はじめに
DIYでは、木材や金属に「穴を開ける」という作業をすることが多くあります。
ねじを打つための下穴をあけたり、金具を取り付けるための穴を開けたり、また見た目をスタイリッシュにするために穴を開けるなど、穴を開けるのには様々な目的があります。
そんな穴あけをするための道具は様々ありますが、中でも圧倒的に速く、きれいに穴をあけるための道具としては、電動ドリルが代表的です。
電動ドリルは穴を開けることに特化した電動ドリルや、穴あけ+ねじ締めもできる電動ドリルドライバーといった種類があり、これらは近年はDIYでも身近な存在になっています。
そんな電動ドリルを使う上で知っておきたい道具の1つに、ビット(ドリルビット)があります。
ドリルビットは、穴を開ける時に電動ドリルに取り付けて使う先端工具のことで、穴を開ける目的や穴の大きさに合わせてさまざまな種類があります。
同じような形に見えるドリルビットが多くありますが、それぞれに得意分野、不得意分野があり、よりきれいに、楽に穴あけをするためには、自分の目的に合ったドリルビット選びが欠かせません。
そこで今回は、初心者でも簡単に自分の目的に合ったドリルビットが分かるよう、ドリルビットの種類・材質の選び方について解説します。
ドリルビットとドライバービットの違い
まずはビットの全体像を把握するために、ドリルビットとドライバービットの違いについて見てきます。
電動工具で使われるビットは、使い道によってドリルビットとドライバービットの大きく2つに分けられます。
それぞれの使い道は、
ドリルビット・・・穴あけ用
ドライバービット・・・ねじ締め用
と大きく異なり、見た目も異なっています。
この2つは両方ともDIYではよく使われ、一例では、木材にねじ締めをするときにまずはドリルビットで下穴を開けて、そこにドライバービットでねじを締めるという使い方です。
このドリルビットとドライバービットのうち、今回は穴あけに使うドリルビットに注目して、いろいろな種類のドリルビットを見ていきます。
もう1つのドライバービットの種類、選び方はこの記事で解説しています。
ドリルビットの選び方
ここからは実際に、ドリルビットの選び方を見ていきます。
ドリルビットを選ぶときのステップは、
1.目的ごとに種類を選ぶ
2.耐久性・使用頻度を考えて材質を選ぶ
この2ステップです。
そこでまずは、1.の様々なドリルビットの種類と、使い道(目的)を紹介します。
それぞれの使い道を参考にして、自分の目的に合ったドリルビットを探してみて下さい。
ドリルビットの種類
まずは、様々なビットの種類と使い道を紹介します。
ここでは、次の8種類のドリルビットの特徴と使い道を紹介します。
木工用ビット
下穴錐ビット
皿取錐
ホールソー
ーー↓あまり使わない↓ーー
鉄工用ビット
フォスナー(座ぐり)ビット
自在錐
コンクリート用ビット
順に見ていきます。
木工用ビット
木工用ビットは、その名の通り木材などに穴を開けるためのビットです。
DIYで使われるビットの中では一番多く使われるタイプで、木材に穴を開けたいときはとりあえずこの木工用ビットを用意しておけば大丈夫です。
ビットの径(太さ)は太いもので10mm~15mm程度、細いものでは1mm程度の物が多く、間隔はおおよそ0.1mm刻みで販売されています。
これより大きい穴を開けたいときは、後から紹介するホールソーや自在錐を使います。
名前に木工用とあるように木材に穴を開けるのが得意なビットで、木材に穴を開けた時に、穴の側面と縁がきれいな円になるような刃の形をしています。
この木工用ビットは1本ずつ売られていることは少なく、いくつかの太さのビットが入ったセットとして売られている事が多いのが特徴です。
DIYでよく使うのは2mm~4mmの太さのビットなので、このあたりの太さが入ったセットを1つ用意しておくと非常に便利です。
木工用のため、金属板などの木材より硬い物に使うと折れてしまったり欠けてしまったり、そもそも穴が開けられない事がほとんどです。
金属に穴を開けたいときには、後から紹介する鉄工用ドリルビットを使用しましょう。
下穴錐ビット
少し読みにくいこのビットは、「したあなすいビット」と読みます。
ねじを打つための下穴を開けるのに適したビットで、先端に向かうに従って細くなる形状をしています。
そのため、開けた下穴はねじを入れる入口は太く、奥は細い円錐状の穴をしており、ねじを打っても木材が割れにくい下穴を開けることができます。
径は0.5mm刻みの2.0、2.5、3.0、3.5mmというような種類があり、自分が打ちたいねじより0.5mm~1mm細い下穴錐ビットを使って下穴を開けると、ぴったりの下穴を開けることができます。
こちらもいくつかの径のものがセットで売られていることが多く、DIYでよく使う2.0~3.0mmのビットが入ったセットを1つ持っておくと便利です。
皿取錐
皿取錐は、木材の表面に皿ねじがちょうど入るように削るためのビットです。
皿ねじは、ドライバーを当てる側が平らになっているねじです。
平面が皿のようにみえるから、皿ねじと呼ばれます。
ドライバーを当てる面が平面になっている反面、裏側は三角錐型に膨らんでおり、平らな面にこの皿ねじを取り付けても裏側の出っ張り分だけねじ頭が表面から出っ張る形になります。
そこでこの皿取錐を使って、裏の出っ張りがちょうど入るように下穴を開けると、皿ねじを使ってもねじと木材の表面がちょうどツライチになるように締め付けることができます。
ねじの頭の形については、詳しくはこの記事で解説しています。
ホールソー
ホールソーは、木材などに直径10mm以上の大きな穴を開けるためのビットです。
筒状で縁の部分に刃がついており、インパクトドライバーなどの電動工具に取り付けて使います。
先端にガイド用の木工用ビットがついているタイプも多く、初心者でも簡単に穴があけられるような構造をしています。
刃は筒状の縁の部分のみについているため、見た目ほど大きな力がいらないことが特徴です。
あとから紹介するフォスナー(座ぐり)ビットでは、木材の厚さの途中までで止めた場合は円柱状の穴が開きますが、このホールソーは筒状の縁の部分に刃がついているだけなので、穴が開かずに円形の溝ができることになります。
鉄工用ビット
鉄工用ビットは、金属板や金属パイプなどの金属部品に穴を開けるためのビットです。
金属といっても、アルミ・鉄などの比較的柔らかい金属用のビットから、ステンレスなどの硬い金属用のビットまで様々あり、これらを総称して鉄工用ビットと言います。
柔らかい金属用の物は価格が安く、硬い金属用の物は価格が高い傾向があり、自分の用途以上にハイスペックなものを選ぶと余分な出費となってします。
しかし、鉄用などの柔らかい金属用のビットではステンレスなどの硬い金属には文字通り刃が立たず、お金をかけて超硬合金などの高いビットを購入すると、「やっぱり高いビットは違うなあ」と感じることも多いです。
DIYではあまり使う機会の少ないビットですが、既製品の金属ラックなどに穴を開けて、物を取り付けたいときなどに使われます。
鉄工用ビットの詳しい種類や、木工用ビットとの違いなど、詳しい解説は以下の記事でしています。
フォスナー(座ぐり)ビット
フォスナー(座ぐり)ビットは、底が平らな穴を開けたい時に使われます。
一般的な木工用ビットは先が尖っているため、底が平らな穴を開けることができず、底が円錐状に凹んだ穴となっています。
それに対してこのフォスナービットは底が平らになるように刃がついており、きれいな平らな面を作ることができます。
このビットの使い道は、丸棒を差し込んで固定するための穴を掘ったり、ビットを隠すための穴を掘るのに使います。
上で紹介したホールソーとの違いは、ホールソーは円形の周の部分のみにしか刃がついていないため、木材の厚さの途中で止めると円形の溝ができるだけで穴を掘ることが出来ません。
それに対してこのフォスナービットでは円柱状に穴を掘ることができるという特徴があります。
自在錐
自在錐は、合板などの薄い木材板に穴を開けるためのビットです。
先端についた刃の位置を動かすことで自由に刃の直径を変えることができるため、自分好みのサイズの穴を開けることができます。
この自在錐は、エアコンのホースを壁に通したい時や、塩ビパイプを板材に通したい時などに使われます。
開けられる穴のサイズを自分で変えられる数少ないビットなので、どうしても好みのサイズの木工用ビットやホールソーが無い場合は、この自在錐を使うことで好きなサイズの穴を開けることができます。
コンクリート用ビット
最後におまけとして、コンクリート用ビットについても紹介します。
コンクリート用ビットはDIYではほとんど馴染みの無いビットで、住宅の建設や工事現場などの、コンクリートを扱う場所でコンクリートに穴を開けたいときに使われます。
コンクリートに穴を開ける時は、一般の電動ドリルではなく、振動ドリルやハンマードリルといった専用のドリルと、このコンクリート用ビットを使って穴を開けます。
コンクリート用ビットの特徴は、硬いコンクリートに穴を開けるために、先端に超硬のチップがついている事です。
このチップをコンクリートに打ち付けるように、振動ドリルなどを使って穴を開けます。
ドリルビットの材質
ここまで、様々なドリルビットの種類について見てきました。
これらの種類の中から自分の目的に合ったビットの種類が選べたら、後はビットの材質を選べばビット選びは終了です。
そこでここからは、一般的なドリルビットの材質2選の特徴を見ていきます。
ドリルビットの材質には、主にこの2つがあります。
ハイス鋼
超硬合金
それぞれの特徴について見ていきます。
ハイス鋼
ビットの中で一番多い材質は、この「ハイス鋼」と言われる材質です。
High Speed Steel(ハイスピードスチール)の頭文字をとってハイス鋼と呼ばれています。
ハイスピードの名前の通り、ドリルビットなどの高速回転する部品に使われる材質です。
DIYで木材に穴を開ける場合にはこのハイス鋼で十分な場面が多く、まずはこのハイス鋼のビットを用意すれば大きく間違えることはありません。
あとから紹介する超硬合金と比べると、価格はこのハイス鋼の方が安いです。
また、ハイス鋼の方がねじれ・曲げなどの靭性に関する負荷に対して強く、欠け・割れなどの衝撃には弱いという特徴があります。
もっとも、木材に穴を開ける程度の負荷では、ハイス鋼と超硬合金ではあまり性能に差が出ることは少ないため、DIYではまずはハイス鋼のビットを使用することをオススメします。
超硬合金
鉄工用ビットなどの高い負荷がかかるビット選びをする際には、超硬合金のビットが選択肢に入ってきます。
この超硬合金は、主成分の鉄にニッケルやタングステンなどの特殊な元素を一定の割合で溶かしこんだ金属です。
貴重な金属が含まれていることが多く、上で紹介したハイス鋼と比べて価格が高い場合がほとんどです。
性能の差は、この超硬合金は欠け・割れなどに対する「硬さ」に関しては一級品で、そのため先端の摩耗も起きにくいという特徴があります。
特にステンレスなどの硬い金属に穴を開ける時にはこの超硬合金を使うことも多くあります。
ドリルビットの取り付け方・取り外し方
ここまでドリルビットの種類・材質について見てきました。
ここでは最後に、ドリルビットの取り付け方・取り外し方を見ていきます。
このドリルビットの取り付け方・取り外し方を知るうえで、電動工具のビット取り付け部分の2つのタイプを知っておいた方がいいでしょう。
電動工具のビット取り付け部分には、「ドリルチャック」と「スリーブ」と呼ばれる2つのタイプがあり、使う電動工具によってどちらのタイプがついているか様々です。
ここでは簡単に、それぞれのタイプでの取り付け方・取り外し方について、図を交えて見ていきます。
それぞれのタイプが使われる工具や、仕組みについてはこの記事で解説しています。
ドリルチャックのビットの取り付け方・外し方
ドリルチャックは、ナットを締めるようにしてビットを固定するタイプのビット取り付け方法です。
ドリルチャックの真ん中にはビットを差し込むための穴が開いており、ビットを固定するためには、まずその穴にビットを差し込みます。
そして、ドリルチャックの先端の回転部分をクルクルと回すことで、ビットを入れた穴が段々と小さくなっていき、ある程度締まるとビットを固定することができます。
外すときは逆に、回転部分を逆に回すと穴が広がっていき、ビットを外すことができます。
このドリルチャックは感覚的にとても分かりやすい構造をしており、時間が経っても使い方を忘れてしまう心配が少ないです。
スリーブのビットの取り付け方・外し方
スリーブは、バネの力でビットをカチッと固定するタイプのビット固定方法です。
スリーブもドリルチャックと同じように、電動ドライバーの先端部分についています。
スリーブは、一番先端の部分を掴んで引っ張ることができ、離すとバネの力で元の位置に戻ります。
ビットを取り付けたいときは、この先端部分を引っ張った状態で、スリーブの真ん中にある六角形の穴にビットを入れます。
そして引っ張っていたスリーブを離すと、スリーブはばねの力で元の位置に戻り、そのバネの力でビットは固定されます。
外すときは逆に、スリーブを引っ張り出して、その状態でビットを引っ張ると外すことができます。
始めは取り付け、取り外しにコツがいりますが、慣れてしまえば非常に簡単に、素早くビットの交換をすることができます。
一点、注意しておきたいのは、このスリーブタイプには六角軸のドリルビットしか取り付けられないことです。
丸軸タイプのドリルビットは取り付けられないので、購入時には注意しましょう。
六角軸とは?丸軸とは?という人や、ドリルチャック・スリーブの詳しい解説はこちら
まとめ
今回は、電動ドリルで木材などに穴を開ける時に使う、「ドリルビット」の選び方について解説しました。
DIYでよく使うのは木工用ビットや下穴錐ですが、その他にもたくさんの種類のドリルビットがあるのが分かったかと思います。
こういった種類のビットのことが頭の片隅に入っていると、何か新しいものを作ろうとしたときにヒントになることがあるかもしれませんよ。
このブログでは、電動ドリルやインパクトドライバーについて、DIY初心者にも分かるように徹底的に解説しています。
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一緒に学んで、楽しいDIYにしましょう。
かめとんぼ
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